本作は、20世紀を代表するロックバンド・ビートルズの創成期を描いた1994年公開の伝記映画「BACKBEAT」を、イアン・ソフトリー監督自ら舞台化した作品です。
結成当初、ビートルズは5人編成でした。当時のベーシストであり、画家としての才能も発揮しながら、しかしビートルズのメジャーデビューを待たずして袂を分かつことになるスチュアート・サトクリフと、彼の芸術的センスに惚れ込み、敬愛していた学生時代からの親友ジョン・レノン。そして、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベストのメンバーが“ビートルズ”を結成し、若者らしい爆発的なエネルギーでハンブルクへ巡業していた時代を描きます。やがて、写真家のアストリッド・キルヒヘア(アストリッド・キルヒヘル)と運命的な出会いをして恋に落ち、アート志向を強くしていくスチュアート、揺れ動き葛藤するメンバーたち―――。実際にビートルズのメンバーに起こった史実があまりにドラマチックで、あらゆる面で伝説のバンドだったのだ、と改めて感嘆を禁じ得ません。
さらに、本作の大きな見どころの一つは、何と言っても20を超える楽曲の生演奏!初期ビートルズの粗削りながら勢いのある演奏、あり余るエネルギーを正面からぶつけてたぎるような、ほとばしる生演奏のサウンドにも、ぜひご期待ください。
この、アートとロック、恋と友情の青春群像の翻訳・演出は、日本初演に続き、石丸さち子が務めます。故・蜷川幸雄のもとで演出助手として研鑽を積み、ミュージカルからストレートプレイまで様々な作品を創り出し、オリジナルミュージカルの作・演出にも高い評価を得る石丸。映画「BACKBEAT」は、テープが擦り切れるほど繰り返し観た、大好きな作品だといいます。この度もロックに、熱く「BACKBEAT」の世界観を表現してくれるでしょう。そして、音楽監督も日本初演時と同じく森 大輔が手掛けます。自身のアーティスト活動と並行して様々なアーティストへの楽曲提供を行い、また石丸によるオリジナルミュージカル「ひりひりとひとり」の音楽を担い好評を博し、相性抜群の2人がクリエイティブスタッフとして本作を支えます。
スチュアート・サトクリフを演じるのは、A.B.C-Z のメンバーでありバラエティや映画、舞台など幅広いステージでマルチに活躍する戸塚祥太。ジョン・レノン役は、舞台・ドラマ・映画とジャンルを問わず俳優として存在感を示しながら歌手としても活躍、情感あふれるライブに評価の高い加藤和樹が務めます。ジョージ・ハリスン役に、グループでの活動に加え単独でも多数の舞台で活躍する辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、当時はギターを弾いていたポール・マッカートニー役にはFUZZY CONTROL のJUON、ドラムのピート・ベスト役に、舞台・ミュージカルを中心に活躍する上口耕平。初演時に見事なサウンドを日本中に響き渡らせた“令和のビートルズ”のメンバーが再集結いたします!また、スチュアートの恋人となるアストリッド・キルヒヘア(アストリッド・キルヒヘル)役は、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役でミュージカルを中心に活躍している愛加あゆが務めます。そして、文学座に所属し外部の公演でも活躍する鍛治直人、「Honey L Days」のメンバーとしても活躍し、本作初出演となる東山光明、脚本や演出、タップ振付も手掛けるなど多才な実力派の西川大貴、ミュージカル「エリザベート」の出演など注目を集める加藤 将、ミュージカルを中心に活躍する気鋭の工藤広夢。さらに、1966 年のビートルズ初来日公演の際に前座を務め、彼らの大変貴重な生の演奏を体感している歌手で俳優の尾藤イサオ。尾藤が披露するライブでの歌唱にもぜひご期待ください。
華と実力を備えた、個性豊かなキャストが奏でる青春の光と影。どうぞお楽しみに。
1960年、イギリス・リヴァプール。
絵の才能を持つスチュアート・サトクリフ(戸塚祥太)は、同じ学校に通う親友ジョン・レノン(加藤和樹)に誘われ、ロックバンドにベーシストとして加入する。スチュアート、ジョン、ジョージ・ハリスン(辰巳雄大)、ポール・マッカートニー(JUON)、ピート・ベスト(上口耕平)ら5人の“ビートルズ”は、巡業で訪れたドイツ・ハンブルクの地で頭角を現してゆく。
とある夜、スチュアートは彼らのライブに来ていた女性写真家のアストリッド・キルヒヘア(アストリッド・キルヒヘル)(愛加あゆ)と運命的な出会いをし、二人は恋に落ちる。スチュアートはアストリッドとの出会いをきっかけに再び絵を描き始め画家の道を志すが、ビートルズは魅力的なナンバーを次々に打ち出し、評判は日に日に高まってゆく―――。
